親が高齢になっても車の運転を続けていると、色々と不安になってきます。交通違反程度で済めばまだいいのですが、一番恐ろしいのは、やはり事故を起こすことですよね。
そうならないうちに、そろそろ運転免許証を自主返納するように親にすすめたいものですが、その方法やタイミングもなかなか難しいのではないでしょうか?
現在、75歳以上の人が免許の更新を行うときには、「講習予備検査(認知機能検査)」を受けます。でも検査の結果、認知症の疑いがあっても免許証の更新はできてしまいます。
ただ、更新の前後に違反を犯した人だけは、医師の診断を受ける必要があり、そこで「認知症」と診断された場合には、免許は取り消されます。
そこで、高齢者の事故の増加に伴い、2015年6月11日に、道路交通法が改正されました。
「講習予備検査(認知機能検査)」の結果、認知症の疑いがあれば、その全員が医師の診断を受け、そこで「認知症」と診断された場合には、免許は取り消されます。(改正案の施行は今年中のようです)
この改正が、少しでも高齢者の事故の減少につながればいいのですが、強制的な免許の取り消しだけでは、高齢者の事故の明らかな減少は難しいかと思われます。
警察も、免許の自主返納を呼びかけているようですが、なかなか進まないというのが現状のようですね。自主返納のメリットをもっとアピールすべきではないでしょうか?
自主返納すれば、運転免許証の代わりに、「運転経歴証明書」が発行されて、身分証明書として使用できます。
さらに、色々なサービスや特典が受けられます。ホテルやレストランやレジャー施設やバスや電車やタクシー等の割引、デパートやスーパーの配送料の無料等です。文化施設の優待もあります。
警視庁HPの高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業・団体の特典一覧サイト
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/jikoboshi/koreisha/shomeisho/support.html
さて、問題は親に自主返納をどうやってすすめるかですよね。
親自身が車の運転ができることを元気の証だと思っていたり、地方では車の運転が日常生活には無くてはならないものであったりすると、まずご自分から自主返納はされないでしょう。
その場合ですが、まず、「これまで運転してくれてありがとう。」というねぎらいの言葉が大切だそうです。特に男性は、車の運転が家族の役に立っていると思われている場合があります。それを一方的に取り上げては、自信の喪失にもなります。
家族で、車を運転することのメリットとデメリットをよく話し合いましょう。特に、事故を起こした場合についてもです。経済的や精神的なデメリットが大きいことも含めて。
その上で、自主返納をまだしないことになれば、乗る場合のルールを決めましょう。例えば、雨の日や夜には乗らないとか、高速道路は走らない等です。
さらに、「今後少しでも危ないと感じたら、その時は自主返納してもらうからね。」と伝えておきましょう。
もちろん、認知症であれば、悠長なことは言ってられません。鍵を隠すとか車を廃車にするとかの方法も必要になるかと思います。
でも、大切なのは、あくまでも本人が納得して、ルールを決めたり、自主返納することだと思います。